デジタルお片付け

エンタープライズIT領域でのデータ・エンジニアの経験をもとに、データ管理についての技術解説や事例紹介を行っています。

パソコンのお片づけ-デジタル時代の書斎の片付け方

「もうこれ以上パソコンにデータを入れられない!」

 

 お仕事では、容量が大きめのファイルを取り扱うことが多いので。

 パソコンを持ち歩く周りの働く女性たちから、そんな悲痛な叫びが聞こえてきます。

 新しいファイルをインターネットからダウンロードしたり、コピーしたりできなくなってきたりしたとき。

 それは、パソコンの中を断捨離するべきときかもしれません。

 

 そんなときはまず、パソコンの中の不要なデータに何があるのかを確認していきます。(以下はWindows環境を前提にしています。)

 

 

 まずは、Cドライブの上にカーソルをあてて右クリックしてプロパティから容量を確認してデータの全体量を確認します。

 

 

 紫の部分を見てください。容量が大きめのパソコンを使っていますが、残りの容量は27.5GBと少なめです。こういう時は、パソコンの動きが遅くなったりすることがありますので、まずは不要なデータを削除して容量を増やしましょう。

 「このドライブを圧縮してディスク領域を空ける」にチェックを入れ、「ディスクのクリーンアップ」を押して、ディスクのクリーンアップを行います。こちらの処理を定期的に行うことで、パソコンの状態がクリーンに保たれます。

 

 「temp」と書かれているフォルダや「drivers」の中の「download」と書かれているフォルダの中身は大体一時的に置いているファイルなので、削除してもかまわないデータです。一時的にそのフォルダを使ってそのあとどうやって使ったのかを思い出してみましょう。思い出した結果、そのディレクトリからコピーし、やはりいらないデータだったということを思い出した場合には、そのデータを削除します。

 ダウンロードしたデータには大きなデータが入っている可能性が高いので、これだけでかなりの容量があくこともあります。特に、一度もこのフォルダからファイルを削除したことがない人は、意外にたくさんファイルがある可能性もあるので、一度は開いてみましょう。

 次の図でtempの中身を確認してみると、一時的に保存したファイルなど、すでにいらないデータだったので削除することにします。Tempファイルは物置のようなもので、すぐには使わない場所かもしれませんが、いらないものを入れ込んでおくと、ディスクスペースを圧迫する原因になってきます。

 

 

 

ダウンロードディレクトリの中身もいらないので削除します。

 

ビデオや音楽など、データ量が大きめのファイルから削除するとスペースが空きやすくなります。上のほうにある「サイズ」をクリックしてサイズ順に並べてみて、データ量を見てみましょう。サイズの列の数字の大きいものが大きいデータなので、大きいものでいらないデータから消していきましょう。

 うっかり子どものサッカーのシュートシーンの動画などを消してしまわないように注意します。

 最近はセミナーや研修などの内容が動画で配られてダウンロードすることがありますが、このような研修動画はすぐに内容が古くなってしまうので、学んだ後は遠慮なく削除して大丈夫です。学びの内容はすぐ新しいものになっていくので、最新のものだけ残しておきましょう。

 営業用の動画はもっと不要です。2年以上前の営業資料はほぼ価値がないという調査結果もあるので、2年以上前の営業資料はどんどん消しましょう。

 Zipファイルと同じ名前のディレクトリがある場合は、中身は同じものなので、展開済みのディレクトリの方を削除します。Zipファイルにするということは、もともとのファイルも大きめなので、zipファイルを削除していくと、思いのほかスペースの節約になることがあります。

 

 アプリケーションを使ってつくったファイルはサイズが大きくなりがちです。作成したMp3ファイルやCamtasiaで作成した動画ファイルのバックアップ、VMWareファイルなどがあれば消していきましょう。アプリケーションで作成したファイルは、作成に時間もかかり、再現するのに困難なものもあります。すぐに使わず、削除に迷うものであれば、HDDやクラウド環境に保存しておいてもよいでしょう。

 OSの中で使用しているアプリケーションそのものも、どんどん消していきましょう。

 Windowsの「コントロールパネル」から、「プログラム」を選択し、「プログラムのアンインストール」を選択します。

 使っていないアプリケーションを選んで「アンインストール」を選択します。

 

 項目でサイズを押してサイズ順に並べ、サイズの大きい順に削除していきましょう。

 インストール日付で古いものを確認して使用していないものを消していくのもアプリケーションを消しやすい方法です。

 

 ブラウザのキャッシュ履歴やcookieなども、PCが重たくなる原因なので、気づいたタイミングで削除しましょう。

 

 履歴やcookieの削除をしたいときは。

 ブラウザのHistoryから、Clear Recent Historyを選択します。

 そうすると、次のようにポップアップ画面が立ち上がるので、Cookieなどを選択してOKします。

 

 

 これでブラウザで保存していたCashやCookieが消えるので、PCの動きがよくなることもあります。

 

 以上、自分でPCの中身を確認しながらやるデジタル断捨離について書いてみました。

クリーナーという無料ソフトを使えば、自動でパソコンの中身をお掃除してもらうこともできます。

http://freesoft-100.com/review/ccleaner.php

データのお片づけが難しいわけ

 言うまでもないですが、お片づけとは、モノを捨てたり整理整頓する方法のことです。

 片付けるのがデジタルデータの場合を、本ブログでは「デジタルお片づけ」と呼ぶことにします。

 デジタルデータとしては、WordやPowerPointExcelなどの文書ファイル、メールや、動画・音声・写真のファイル、アプリケーションなどがあげられます。また、これらを入れておく、パソコンやハードディスク(HDD)、ファイルサーバーも、デジタルデータを含んでいて捨てるのが難しい物体として、デジタルお片づけの対象とします。

 デジタルデータはなぜ、お片付けしたほうがいいのでしょうか。デジタルになっていて、場所をとっておらず、お金もかからないないならば、そのままにしておいてもいいのでは?そんな声が聞こえてきそうです。

 確かに、物よりはデジタルデータの方が、持っていてもコストが安いのは事実です。しかし、デジタルにしておいても、「あのデータがあそこにあったな」と脳で覚えておいたり、持っていても意味のない情報を持っていることにより、脳の動きが悪くなったり、必要な情報を検索しにいく時間がかかってしまいます。

 これにより、脳内で考える効率が悪くなってしまいます。

 デジタルデータを消したり整理することは、脳の処理効率を上げ、パフォーマンスを上げることになるのです。

 私もデジタルお片付けを実践することによって、仕事で必要なファイルがPC上で探しやすくなりました。

 デジタルデータのお片づけの難しさとしては、

  • コピーするのが簡単なので、日々増え続け、油断するとあっという間に膨れ上がる。
  • 開いて中身にアクセスしないと中身の確認ができず、捨てるかどうかの判断が難しくなる。へたをするとパスワードがかかっている。あるいは、データの中身として自分にとって意味がないが、持っているシステムを動かすために、必要になるものもある(アプリケーションなど)。
  • 自分のものでありながら「誰か」から受け取ったものがほとんどであり、捨てづらい。

ということがあげられます。

 

 私は、モノのお片づけについては、近藤麻理恵さんが書かれた「片付けの魔法」という本を愛読してときめかないモノを捨て、自宅をすっきり片付けました。が、「片付けの魔法」本でときめくものかどうかを基準に削除を判断することが、デジタルデータの場合はとても難しくなります。

 ときめくかときめかないかというと、すべてのデータがときめかないもののような気もしてきます。

 デジタルデータの場合の捨て基準はどのようなものなのでしょうか。具体的にはどうやって捨てたらいいのでしょう。

 まずはお手元のPC環境の中身から見ていきましょう。

はじめに

 世の中はお片付けブーム。お片付けするとやせるとか彼氏ができるとか、よい効果がたくさんあるらしい。片付け本が売れています。

 私も、片付け本を読んでは部屋を片付けて、気分が明るくなったり、夫婦仲がよくなったり、よい効果がたくさんありました。

 しかし、私たちが大事に持っているものは物だけなのでしょうか?いまや、物の多くはほとんどデータになり、デジタル化され、私たちはいらないデータも永遠に持っていて、しかもそれに気づいていないのではないでしょうか。

  私はシステムのデータ設計を10年以上専門にしているワーキングマザーです。

新人の頃にデータ設計に詳しい先輩社員から「データをいつ捨てるかを考えてシステム設計できるのが、良いデータ設計者なのだよ」と言われたことがいまだに記憶に残っています。

 物理的に本を断捨離しても、お気に入りの本はkindleでダウンロード。手紙はデジタルになってメールボックスに一万通以上あり、CDはmp3になり、大事な写真は印刷せずにパソコンの中にとってあるのでは?

 手紙、FAX、電話帳、重要書類、カード、アルバム、CD、帳簿など。

 物は、目の前に見えなくなり、データにさえなっていれば、物に惑わされる時間は減るのでしょうか。

 大事な情報はデータになって探しやすくはなっています。しかし、パソコンに向かう時間が長くなるにつれて、データを探す時間自体にも効率化が求められているのではないでしょうか?

 仕事上でもデジタル化された情報を探すための時間は、業務時間の20パーセントは最低かかると言われています。データが少なければ調査時間や迷ったりする時間が減り、よりパフォーマンスがアップするのではないでしょうか。

 私は二人の子どもがいるワーキングマザーでもあり、ワークライフバランスを向上してパフォーマンスをアップするために、自宅のお片づけ始め、日ごろからさまざまな工夫をしてきています。しかし、データの片付けに関して言えば、プロなのになかなかお片づけできないという悩みがありました。恥を忍んでIT系のワーキングマザー友達に聞いてみたところ、皆さんデータのお片付けには苦労していることがわかってきました。

 聞こえてくるのは、「Gmailが10000通たまっていて、どうしていいかわからない!」という悲鳴や、パソコンの動きが遅いなどのデータの削除に関するお悩みの数々。

 プロでさえそうなのだから、ITに詳しくない一般の方のデータのお片づけはどうなっているのでしょうか。

 このようなお悩みに答えるべく、本ブログの執筆では、データ設計のプロフェッショナルとして、データの削除に悩めるビジネスパーソンのお悩みに答えることを目指しました。本ブログには、私の10年間のデータに関する知識を盛り込む(予定)。

必要なところを読んでいただいたら、このブログのブックマークは削除していただいてかまいません。

 それでは、一緒にデジタルお片づけを進めましょう!